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母国語の干渉

更新日時:

2005.03.24 Thu.

 第2外国語を学ぶ時、意外と妨げになるのは自分の母国語だ。無意識に母国語の法則に則って頭の中で組み立てるので、思わぬ誤用をしてしまうのである。これを母国語の干渉という。

 

 PAULは時々、外出先から「今から帰ってきます。」と携帯メールを打ってくることがある。英語だと「I'm coming home.」となるからだ。逆に日本人は「明日そちらに伺います。」というつもりで「I'm going.」と言ってしまい、「どこに行くの?」ってことになってしまう。

 

 時制も難しい。以前私の勤める証券会社にアメリカ人の顧客がいた。(例の私の先生ではない。)ある日彼は私の所に来て「この株を買うつもり。」と言った。私には「つもり」ということばの響きから「そのうちに買いたいのだな。」と思い、何もしないでいたら、彼はちょっといらいらした様子でまた「買うつもり。」と繰り返した。それで私は初めて今買いたいのだと気がついたのだった。実は日本語ではあまり未来形を使用せず、代わりに原形を使う。英語の試験の時には「~でしょう。」などと訳」したりするが、実際に未来形を使っているのは天気予報くらいだ。

 

 未来のことにに過去形を使うこともある。たとえば「明日帰ったら電話します。」英語だったら「明日帰るとき電話します。」となるところだ。

 

 

 「はい」と「いいえ」も大変だ。私たち日本人も英語で質問され「yes、あ違った、noだ。」などと混乱した覚えが誰にも一度や二度あると思うが、実は英語の方が簡単なのだ。相手の質問に関係なく「yes」は「yes」、「no」は「no」なのだから。反面、日本語は相手の質問によって答えが変わってくるからやっかいだ。「おなかすいていない?」「うん、すいていない。」と「Yes,I'm not.」という答えが存在してしまう。私とPAULはよく日英ちゃんぽんで話をしているので、時々「ねえ今の”はい”は英語?それとも日本語?」などと確認しなければならないこともしばしば。

 

 「てにをは」も大変。「電車を待っています。」と書いた後で「あれ?“電車に”が正しい?」と聞いてきたり。

 

 「perfect」を「完璧な」と覚えたPAUL。彼はよく「それは完璧な。」とよく言う。まるっきり英語の翻訳だ。

 

 まだまだあるが、今回はこの辺で。

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