アメリカのサッカー事情(あくまでも私の独断と偏見ですが)
更新日時:
2005/06/05
アメリカで人気のスポーツはアメフト、野球、バスケット、これは世界の常識。反面サッカーが全然人気がないのも周知の通り。
PAULは選手経験こそなかったが、勤めていたアメリカの高校ではサッカーの顧問であった。審判の資格もあり、サッカーの大ファンである。おかげで、日韓ワールドカップの時は、スポンサーのA新聞のCMで、審判の役をいただいた。しかし、ジーコの存在は日本に来るまで知らなかった。今、同じようにアメリカ人に「ベッカムって知っている?」と聞いてもほとんどの人は「NO」と答えるであろう。
前回のワールドカップの時は、一部のファンを除いて本土に住む大部分のアメリカ人は気にも留めていなかったらしい。夫の家族に至っては、開催されていることすら知らなかった。世界中がこれほど大騒ぎしているのにである。
某サッカー大国では、まさかのブロック敗退で、帰国する時には怒り狂った国民から選手たちを守るため、ボディガードを雇ったというニュースを聞いた時、我が家では、「アメリカはいいよね。負けてもプレッシャー無しだから。期待もされていないけど。」などと冗談を言い合っていたものである。
さすがに予想外にアメリカが健闘し、ベスト8(でしたよね?)に残った時、ようやく気がついた人たちが「アメリカを応援しよう。」と立ち上がり(遅いんだってば!)、どこの州か忘れたが、スタジアムでスクリーンを見ながら盛り上がっているのをニュースで見た。ここまで忘れ去られていたかわいそうな選手たち。
しかし皆さんはお気づきだとは思うが、アメリカのサッカーは決して弱くない。そこそこ強いのである。人気がないのになぜ?実は人気はあるのである。子どもたちの参加するスポーツとして。
PAULに聞いたところによると、ユースでは一番の人気らしい。特に女子サッカーの人気はすさまじい。今のアメリカ代表たちは幼稚園の頃から練習に励んでいるのである。強いはずだ。
ユースでは人気でも、大人になってからが問題だ。サッカーをやり続けていては、お金も名誉も無縁の生活になってしまうのだ。なぜお金が稼げないのか?テレビで中継しないからだ。なぜ中継しないのか?スポンサーがつかないからだ。
スポンサーが付かない理由、それはまず、CMを挟みにくいことにもあるのではないだろうか。サッカーはなかなか点が取れない上に、突然その時はやってくる。CMの最中にゴールしていたら、大顰蹙だ。(その点、試合優先の日本のスポンサーはえらい。)
もう一つは観客が付かないこと。テレビ中継がないのだから当たり前だが。でも、もしかして、秒単位に点が入るバスケに対して、点がなかなか入らないサッカーはアクティブなアメリカ人向きではないのかも。マラソンが不人気なのも同じ理由かな?(彼らはマラソンに壮大なドラマを見ないらしい。)まあ、サッカーに物足りなさがあるからこそ、アメフトが発明されたのであろうが。
でもこれからは女子サッカーの時代。のアメリカの女子サッカーの歴史はどこよりも長い。この国のサッカー界を救うのはやっぱり女性なのであった。