バス、シャワー付きの意味(ベルギー)
ベルギーへの一人旅を思い立った時、私は観光局から役に立ちそうなパンフレットや地図を取り寄せた。同時にホテルのリストも送ってもらった。
そのホテルリストにより、ベルギーには前金無し手数料無しのホテル予約サービスセンターがあるのを知った私は早速、利用しようと思い入念にリストのチェックを始めたのだった。しかし、今思うとあまり入念ではなかったかも。
観光局のホテルリストブックには、予約申し込み用紙が付いているのでとても便利だ。必要事項を所定の場所に記入していくだけだから、英語に自信がなくても大丈夫。今だったらネットがあるので、ホテルの予約なんて何でも無いが、この当時は電話が主流で結構大変だったのだ。
その用紙にはいろいろ選択肢があって、その中に「with bath/shower」というのがあり、私は迷わずそこにチェックマークを付けた。予算も書くことができるので、複数の都市に滞在する予定の私は、ホテルリストで相場を見ながら、場所ごとに違う希望価格を設定したのだった。
結果、アントワープ、ブルージュのホテルはとても満足のいくものだった。特にブルージュ。VISAカードの控えを見るとなんと朝食つきで1泊3800円弱!家族で経営する、部屋が8つしかない小さなホテルではあるが、バスタブもあり、清潔で快適な空間を提供してくれた。
しかし、ブリュッセルで私は自分の重大な勘違いを思い知ることになる。チェックインをして部屋に入り、シャワールームを覗き唖然。トイレが無い!「風呂、シャワー付きの部屋」というのは必ずしも「トイレ付き」ではないという事実に私は打ちのめされた。「バス、シャワー、トイレ付き」なんて選択肢なかったぞー。部屋の値段表を見ると、日本円で1000円アップすればトイレ付きの部屋になるらしい。どうも私の予算が低すぎたようだ。最初から知っていれば1000円くらいなんでもなかったのに、とホテルリストをよく見なかったことを悔やむ私。フロントに行って部屋を変えてもらおうかと思いながら、よく観察したら、このフロアーにはトイレ無しの部屋は非常に少ないことがわかった。そして泊り客もなぜか少ない。トイレの場所も私の部屋に近いので、面倒くさがりやの私は「1日中外出しているわけだし、3晩ぐらいいいか。」とそのままにしたのだった。
確かに最初の2日間はトイレを使用しているのは私だけのようだった。しかし3日目、個室に入って便座が上がっているのを発見し、ちょっとムッとした。もちろんムッとする権利は私にはないのだけど、誰かと共同だと思うとちょっと気分が悪い。(ちなみにトイレの個室は1つしかない。)でも、ブリュッセルで朝食、シャワー付きのシングルルームで1泊5200円だったら文句は言えないか。低予算で旅をしていながら贅沢な私なのであった。