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 欧米のトイレ事情

 よく一括りに「欧米」というが、こと公衆トイレに関しては欧と米とは天と地ほど違うと思う。

 

 ヨーロッパの街を歩く時の必需品、それはハンカチとティッシュと小銭だ。レストランも含めた公衆トイレにはほとんどチップが必要、なのに、手を乾かすドライヤーはおろか、トイレットペーパーにもめったにお目にかかったことがない。

 

 スペインのある有名なアンダルシアの観光地で、トイレに常駐している婦人に日本円にして50円ほどのチップ(ガイドブックにそう書いてあった。)を渡したら、25センチくらいのトイレットペーパーを切って渡された。100円渡したら倍くれたのだろうか?

 

 ヨーロッパを旅する時は、私は携帯用の便座シートを常に持ち歩いていたものだ。消毒スプレーも持っていったこともある。チップを払うにふさわしいほど綺麗なトイレはあまり無かったのである。

 

 水の出も悪い。1回流すと水がたまるまでかなりの時間を要する。用を足しながら水を流す習慣のある日本女性が、肝心な時に水が流れてくれず、トイレの中で立ち往生しているのも、何回か見かけた。

 

 反面アメリカではハンカチ、ティッシュはまったく不要。どこのトイレにもぺーパーはもちろん、便座シートも設置されているし、手拭用のペーパータオルか、ドライヤーは必ずある。水もふんだんに出てくれる。しかもチップは不要。ガソリンスタンドやファミリーレストランなどで、たとえ買い物をしなくても気軽に借りられるのもいい。

 

 しかし便座がでかい。(普段、私はこのような形容詞は使用しないのだが、この場合、「でかい」ということばが1番ふさわしい。)何気なく座ってから、もしかして蓋の上に座ってしまったのかと錯覚して、あわてて確認したことも何度あったことか。

 

 そして、あの上下が大きく開いていて隣の人の足が見えるのにはまいってしまう。はっきりいって何をやっているか丸見えなのだ。防犯の意味もあるのであろうが、個室がひとつしかない場所のトイレも3畳くらいの広さがあるところを見ると、もしかしてアメリカ人は閉所恐怖症?日本のトイレではさぞや、恐ろしいほどの圧迫感を感じていることであろう。

 

 ちなみに国の玄関であるモスクワ空港のトイレには便座がなかった。

 

 シンガポールでは女性トイレにもかかわらず便座が上がっていることが多かったので、流す時の水しぶきがかからないよう配慮しているのかと好意的に解釈していたら、ある時便座に靴の後を発見して仰天した。便座の上にしゃがんでいたのだった。

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