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日本の常識.アメリカの常識

更新日時:

2005/06/18 

 私たちは「常識」というものは世界共通のものだと思いがちであるが、異文化の中を渡り歩いていると、それが大きな錯覚であると思い知らされる場面に遭遇することがよくある。

 

 おそらくアメリカと日本ではそれほどの違いはないであろう。世界にはまだまだ日本人がひっくり返るような価値観を持っている人種がたくさんいるのだから。しかしそれでもお互いに「えっ?」て思うことはたくさんある。

 

 家のトイレのドアは常に閉めておくことは日本の常識。しかしアメリカでは誰もいないときはドアは開けっ放しにしておかなければならない。常識であるから、ゲストに忠告しなければいけないとは夢にも思わない。それで日本人のゲストが使用後ドアを閉めてしまい。バスルームが使用できないと大騒ぎになってしまうこともしばしば。逆に便器の蓋は閉めておくのがマナー。

 

 バスタブのお湯は皆で共有。これは日本の常識である。しかし普通のアメリカ人にはそれは考えられないほど不潔なこと。かなり前、知り合いの家にアメリカ人の学生がホームステイした。家族は学生がお湯を抜いたのを知らずに沸かし直そうと空焚きしてしまい、バスタブをだめにしてしまった。

 

 日本では犬食いはマナー違反。大きな皿はともかく、お茶碗などは必ず手に持って食べなければならない。しかし、アメリカではこれはお行儀が悪いとされているのだ。

また食事中、左手が遊んでいると怒られる日本と違ってアメリカ人の左手はたいていテーブルの下でぶらぶらしている。

 

 まだまだたくさんあるが、今回はとりあえず日本在住の友人夫婦の話で締めくくろう。アメリカ人夫は驚愕した。妻が妊娠したのに日本の医者はビタミンを処方してくれなかったのだ。ビタミンは妊婦には必須のものだ。彼はさっそくアメリカの母に電話してビタミンを送ってもらった。しかし、ビタミンのどきつい色を見た日本人妻は摂取するのを拒否した。合成着色料を避けるのは日本の妊婦の常識だったのだ。妻はつわりがひどくなった時、夫を置いてさっさと実家に避難してしまい、治まるまで帰ってこなかった。これが日本の常識(?)だと彼が知ったのはだいぶ後になってからである。

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