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更新日時:
2004.11.12 Fri.
ETSUKOという名前は外国人にとっては発音しやすい名前なのだと、何となくそう思っていた。根拠は全て子音と母音がセットになっているので表記どおりに読めばいいからという単純な考えからである。
それなのに中高時代のアメリカ人のペンパルはよく「ESTUKO」とミススペルして送って来た。「これでいったいどうやって読むのだろう?」日本語しか知らない中学生の私はよく思ったものだ。
あるアジアでの集まりで、私の胸の名札を見て「ちょっと待って。名前を言わないで。何と読むか当てさせて。」と考え込む外国人たちに「えー。考えなければわからないの?そのままなのに。」と思ったことも。
「ローマ字を発明したヘボンさん。せっかくのローマ字が外国人に通用しないのでは意味ないじゃん。」何度そう思ったことか。
ところで大抵のアメリカ人は私のことを「つ」にアクセントを置いて「えつ~こ」(雰囲気わかるかしら?)と呼ぶ。私は別にそれで全く気にならないのだが。PAULにはそれが気に障るようで、最初の頃、よく自分の家族に向かって 「何回言ったらちゃんと゛えつこ″と発音できるようになるんだ?」 と文句を言っていたものだ。彼にとっては全く違う名前に聞こえるらしいのだ。
私の母の実家である鳥取でも私のことを「つ」にアクセントを置いて呼ぶ。(注:これはアメリカ人のえつ~こ」さんとは違う。あくまでもえつこさん。)私にとってはこれも全く気にならない。どこにアクセントを置いてもあくまでも私の名前なのだ。ついでに言うと、栃木では年配の人は「えつこさん」と、どこにもアクセントを置かず、すべて平板に言っていた。時には「いつこさん」と呼ぶ人も。
日本人は方言によってアクセントの場所が違うので、皆あまり気にならないのかも。
もっとも「私の名前はまゆみです。」と強調していた中部地方出身の友人もいたが。
日本のアクセントは強弱というより高低というほうが正しい。そして英語の強のアクセントがが長めに発音されるのに対して、日本語は全て同じ拍というのが大きな特徴である。
長野オリンピックの時、アメリカのニュース番組では「ながのー」と発音していたのが耳に残った。以前だったら「なが~の」であろう。アメリカ人もようやく外国語も正確に発音しなけでばと思うようになったのだろうか。但し「ながの」ではなく「な~がの」とか「ながの~」とか最初か最後の音を延ばすのが特徴。同拍というのは難しいらしい。
ちなみにこれには後日談があって。新聞で読んだのだが、日系人のNaganoさんがオリンピックのせいで、自分も「な~がの」と間違って発音されると憤慨していた。彼の名前があくまでも「なが~の」なのだ。
日本人はよく英語で自己紹介する時、「My name is こいず~み」とアクセントを変えたりしている。確かに全部同じ拍の日本語は英語の中に入れるとちぐはぐのは確か。「I 'm from よこは~ま」と言ったほうがリズム感がよい。かえって、「横浜」と平板に言ってしまうと、そこで軽快なリズムが止まってしまう。難しいところだ。
大人になって初めてペンパルに会った時、彼女は私の名前をずっと間違えて発音していたことに気がついて謝ってくれた。しかし、私も彼女のファミリーネームを間違えて発音していたので(実は中学校の先生がこう読むんだと思うよと教えてくれたのだ。)お互い様だ。
しかしローマ字表記もそろそろ現状に則して考える時では。中国人の李さんはちゃんと「Lee」と表記しているよ。それにしても、いつも電車で通るたびに違和感を感じる東急線の「大岡山」駅の看板。 oookayamaと、oが3つなんて変だと思うけどなあ。