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ナチュラルな英語を使いたいと思うこと

 以前、私の通っていた英会話スクールにやたらと「you know」を連発する生徒がいた。私がようやく初級を脱出したばかりだった頃だと記憶している。「フリー会話の最中に、ああいう自然な英語が出るなんて、かっこいい~。」と思ってしまった単純な私はさっそく見習うころにした。

 

 練習してみてわかったこと。ちょっと意識すれば簡単に身に付く。そしてそれは油断すれば悪い癖になってしまう。やたらの連発は他人には大変な耳障りであるということだ。

 

 映画でナチュラルな会話を勉強しようというのもけっこうだが、これにも大きな落とし穴がある。アメリカ映画はアメリカの実社会を必ずしも反映していない。カルフォルニアの大都市や、ニュヨークなどは別として、大部分の地域のアメリカ人はけっこう保守的だ。特に私の周りはクリスチャンが多いせいか、神の名を入れた感嘆詞が実際の会話で使われるのを聞いたことがほとんどない。

 

 ずいぶん前の日本のテレビ番組でカイヤが「Oh my gosh!」と叫んでいたのにもかかわらず、テロップでは「オーマイゴッド!」と流れていたのはなんとも気の毒だった。彼女自身は絶対口にしないであろう言葉だからである。

 

 Fワードも然り。映画では10秒おきに聞かれる単語ではあるが、これも私自身聞いたことがない。しかし実際はけっこう使われているのかもしれない。クリントンのオフレコにもあったし、アメリカ在住の日本人の掲示板でもよく議論されているのを見たりするので。

 

 「教養がない人、お里が知れる。」との意見があるかと思えば、「私の夫はいわば上流階級出身、有名大学で博士号もとっているインテリ。Fワードを使いますが何か。」などというけんか腰のレスポンスまである中、正直、アメリカ社会の外にいる私には何が真実かよくわからない。それはさまざまなスラング(俗語)にも感じることだ。

 

  しかしこれだけは言える。ネイティブではない人は意見の別れる言葉は常用しないのが無難であるということ。たとえ自然に聞こえても、かっこいいと思えても、人が使っていても自分は使わないこと。誰がどんな考えを持っているかわからないし、(私の義母は私がFワードを使用したら間違いなく失神するであろう。)第一、発音も文法もあやふやな外国人がスラングだけは一人前に使うのは気恥ずかしいではないか。皆さんも外国人がたどたどしく「キモイ!チュームカツクゼ~」などと言うのを想像してみていただければわかるのではないだろうか。あ、これはひょっとして差別?

 

 誤解しないでいただきたいのは、すべてのスラングが悪いと言っているのではない。ただ自分で是非が判断できないものは使用しないのが無難だと言っているのだ。

 

 これは私の単なるポリシー。独り言だと思って聞いていただければ幸いである。皆さんは皆さんの判断でどうぞ。

update:

2005/07/25

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