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結婚式で驚いたこと

更新日時:

2004/09/06 

 アメリカで出席した結婚式でのこと。感動的な式と披露宴の後、私たちは花婿の母親の家に招かれた。幸せいっぱいの家主に続き、立派な家の玄関に入るや否や私は想像を絶するものを見てしまった。それは・・・。

 

 実は新郎はまだ20代の若さではあるが、これが初めての結婚ではない。幸い子供はまだいなかったので、離婚による不幸な後遺症は残っていないようである。何を隠そう、私が見たものとは、玄関に堂々と飾られている彼の最初の結婚式の写真だったのだ。それも花婿がご丁寧にも花嫁を膝の上に抱いている!

 

 聞けば、まもなく新郎新婦もここに合流すると言う。これは大変。もちろん、新婦はこの家には何回も訪れているので、もう手遅れだとは思うが、式の日に見るというのは大変な屈辱であろう、と繊細な日本人の私は花嫁の気持ちを思いやり、PAULに言って家主に注意してもらった。(大和撫子はさすがに自分では言えなかった。)そして、そこで新郎の母からの驚くべき発言が。

 

 「あら、彼女(新婦)は気になんかしていないと思うわよ。」

 

 ひえ~!断言するが、彼女はけっして新婦が嫌いなのではない。それどころか新しい義理の娘を心から気に入っているのを私は知っている。最初の妻よりずっと息子にふさわしいとすら思っているのだ。しかし、最初の嫁にもそれなりに愛情はある。そしてこれも息子の歴史の一部だ・・・。

 

 それでもぶつぶつ言う私たちに、新郎の母は仕方なく写真を片付け始めた。それでもまだ実の妹と苦笑しつつ未練がましく写真を眺めている。二人の会話は聞こえなかったが、「やっぱりだめかしら。いい写真なのにねえ。」と言っているような雰囲気だ。

 

 私はこれを見て、アメリカではどんな無神経な発言をされようと(別に今のところそんな経験は無いが)絶対無駄に傷つき、悩むことはやめようと誓ったのだった。

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